2008年01月12日

熱河生物群 化石図譜

 羽毛恐竜などの化石はよくニュースになりますが、それらの化石を多産する中国遼寧省にある熱河群層についてまとめて書かれた日本語の本がありませんでした。

 最近、熱河生物群 化石図譜 -羽毛恐竜の時代-(朝倉書店)が発売されています。訳本で、熱河生物群化石(約250点)や地層、発掘の様子などをカラーで紹介した著です。朝倉書店で目次などが紹介されています。

 英文や中国語だと、化石の映像をぱらぱらと見るだけで、意味不明な箇所は飛ばしてしまうのですが、そのあたり日本語で書いてあると理解できます。


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 カバーは、ミクロラプトル・グイのホロタイプ(完模式標本)。後ろ足の羽根が少し見えるだけで、頭部あたりは裏です。


 原著は、2001年に発売された熱河生物群(上海科学技術)・・・と思っていたのですが、2003年12月に発売されたTHE JIHOL BIOTA(英文版)のほうです。
 これは、中国版に大幅に加筆されたもの。The Jehol Fossils(Academic Press)として、昨年12月に発売されています。


 前のほうで、熱河群層の歴史的背景や時代、古環境などについて書かれています。

 後はそれぞれの化石の紹介です。あまり紹介されない微化石や昆虫、サンショウウオなどの化石が目新しいですね。最大の歯を持つという翼竜、liaoningopterus gui の長い歯もみものです。

 ただ、ゾルンホーフェン化石図譜(朝倉書店)に比べて全体的に写真の鮮明さが劣ります。ライティングなどの工夫が望まれるところです。


 時代的に、ジュラ紀後期("前期"を訂正)とする説もあったようですが、現在では白亜紀前期("後期"を訂正)とされています。
 
 陸成層だと時代決定が難しいのですが、全層にある凝灰岩に含まれるアルゴンなどの放射性元素の分析によって時代測定がなされています。


 地質柱状図があります。一番下層の義県層最下部の陸家屯層で、1億2840年前。一番上は九仏堂層の波羅赤層で、1億1000万年前とあります。つまり、およそ1840万年間に堆積された地層となります。

 その時代、このあたりは火山活動が盛んで、3回の大規模な噴火があったそうです。湖沼堆積と火山活動というサイクルが4回続いたとあります。

 火山性のガスが生物の大量死を引き起こし、池や沼の底に埋まり、大量の火山灰が積もったことで、化石がきれいに保存されたようです。ですから、関節した状態で、羽毛などが残っているのです。


 最近見つかっている化石からすると、恐竜だけでこの本程度の化石集ができそうです。続編にも期待したいところですね。
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2007年11月24日

家畜の骨格や筋肉を解説した図説

 恐竜の骨格を、ただぼんやりと眺めているとだけではわかりませんが、それらが実際に思い体重を支えたり、動いていたとなるといろいろと面白いことに気づきます。

 そんなときに参考になるのが、新編 家畜比較解剖図説〈上巻〉新編 家畜比較解剖図説〈下巻〉です。

 家畜(ウシやウマ)と家禽(ニワトリ)の解剖学書です。2003年に全面改訂されました。

 上巻は骨格と筋肉、消化器について、下巻は、内臓や神経系と外皮について書かれています。発行元の養賢堂で目次などが紹介されています。上巻下巻をどうぞ。

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 獣医のために書かれているのでしょう、骨の形態と構造から始まって、各部位の骨や筋肉が、イラスト共に、細部まで詳しく解説されています。
 たとえば、ニワトリの筋肉だけで、20ページもあります。骨の名称にはほとんど英名があるので、論文と比較するときに役立ちます。下巻では、ニワトリの気嚢などについても詳しく紹介されています。



ニワトリの長翼膜張筋

 下は、ニワトリの前肢です。筋肉は骨にそってついているものと思っていたら、長翼膜張筋のように、肩(浅胸筋)と手首を結ぶ筋肉もあるのですね。

 翼膜の緊張のためにあるとされています。骨格との間に膜が出来て翼としての面積が増えますから、ある程度飛行できるようになった羽毛恐竜にもあったかもしれません。

chi-m.jpg


  図は、ニワトリの前肢:新編 家畜比較解剖図説〈上巻〉の図を参考に作成しました。



ウシの首が太い理由:前足を支える前肢帯筋

 人と家畜の体系の比較という解説もあります。ヒトの肩甲骨は鎖骨と関節し、鎖骨は胸骨と関節していますから、上肢帯(肩甲骨)は脊柱と関節していることになります。

 一方、4足歩行のウシなどでは、前足は肩甲骨としか関節しておらず、肩甲骨は脊柱とは直接結合していません。

 これを支えるのが強力な前肢帯筋です。下のイラストのように、首や腹部から数本の骨格筋が、前足を脊柱のサイドにしっかり保持するのです。

 たとえば、赤く示した頭蓋骨の付け根あたりから伸びる上腕頭筋(Brachiocephalic muscle)は、肩甲骨ではなくて上腕骨(稜)につながっています。上腕をあげたり、首を動かしたりする筋肉です。

 この筋肉のため、牛の首は太いのですね。青の広背筋も上腕骨につながっています。緑の胸筋は直接筋肉(大円筋)につながっています。

 逆に、前足が直接つながっていないことでゆとりが生じ、前足の着地するときに、スプリング(弾力)の役目を果たすのだそうです。


cow-m.jpg

  図は、牛の前足とそれをサポートする前肢帯筋:新編 家畜比較解剖図説〈上巻〉の図を参考に作成。黒いのが筋肉の模式図。緑色が肩甲骨で、黄色が上腕骨です。


 体重の重い竜脚類にも似たような、直接、上腕骨につながる筋肉があったかもしれません。もちろん、上腕骨側にも筋肉がつく部分(稜)が必要ですが。とすると、前脚の前のほうはより太くたくましくなったことでしょう。
 竜脚類の参考には、ゾウやキリンなどの解剖図もほしいところですね。 
 
 
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2007年09月15日

生きものとしての恐竜を描いた「寺越慶司の恐竜」

 先日、イラストレーターの寺越さんから「寺越慶司の恐竜(フレーベル館)」を送っていただきました。大型で分厚い画集です。

 名前からわかるように、寺越さんが長年にわたって描かれた恐竜のイラストをまとめられたものです。

 寺越さんは子供の頃、富山市内に住んでおられたそうです。私のところからそれほど離れてはいません(^^)。あとがきにも書かれていますが、当時は今よりも自然豊かで、そのときの体験から生きものをありのまま描くようになったそうです。

 たしかに、画集では「生きもの」としての恐竜の動きを巧みに再現され、細部まで緻密に描かれています。一部古いものを除いて、パソコン上で描かれたそうですが、手書きの丁寧さが伝わってきますね。

 恐竜ものの製作はそう多くはないそうですが、寺越さんのサイト・ギャラリー土風庵では、イラストの一部が見られます。

TK_dino.jpg


 画集なので、描かれた年代も示されています。後ろの記録を見ると、最初は1983年の「アパトサウルスの群れ」のようです。
 ということは、時代ごとに変わりつつある恐竜の復元も比較して楽しめます。

 下は、「ブラキオサウルスの変遷」。右下(1991年製作)から左(2007年製作)へと、首の角度と尾が変化しています。ひとつひとつをみると気がつきませんが、確かに徐々に下がってきていますね。<

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 次は、羽毛恐竜の群れ。ヴェロキラプトルが2頭いますが、左上が2003年製作でその下が2007年。特に尾に羽毛が多くなっています。前足の翼は時にはボロボロに描くそうです。


914-2.jpg

 なお、上の映像は、私が撮影した単なるスナップ写真で、掲載にあたっては寺越さんの了解を得ています。当然のことながら、恐竜の色や質感などが十分に再現されていません。是非、実物でご確認ください。


 監修の小畠さんも触れられていますが、一つ一つの作品には、製作メモが示されています。単なる恐竜の説明ではなくて、どのような点に注意して描いたか、などです。

 アーティストやミュージシャンなどの人々、全集という形で自分の作品を残せていいですね。後々まで、何10年も残ります。もちろん、それだけ創造的な仕事をされているからでしょう。

 反面、ネットにあふれるブログなどは、ここも含めて、10年もすればほとんど消滅し、入れ替わっているでしょう(^^;;。 
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2007年06月30日

プレヒストリック・パークDVD-BOX

 
 北海道の旭山動物園が人気ですね。動物の生き生きとした姿を、うまく見せる工夫を全国の動物園がまねています。
 このように恐竜を見せる動物園があったら、世界中から見物客がやってくることでしょう。

 4日に発売される「プレヒストリック・パーク」は、恐竜たちを集めて夢のような公園を作る話です。
 
 動物学者のナイジェルが、太古の昔に行って、動物保護区のプレヒストリック・パークへ恐竜などの太古の絶滅生物を集めてくる・・・。大まかに言えば、こういうストーリーです。詳しくは、プレヒストリック・パーク(公式サイト)を。




 そのDVD-BOXを、ブリッジ・プロモーションから、送っていただきました。3枚組で、以下の6つのストーリーから構成されています。最後に、メイキング話があります。


  1. よみがえるティラノサウルス:最初は、6500万年前のモンタナで、 T.rex の捕獲に挑みます。当時は、草がほとんど生えていない荒野でした。
  2. マンモスを引き受ける:矢じりが刺さったケナガマンモスの皮下脂肪は8センチもあって治療が大変です。えさもなかなか食べません。その理由は草にあるようですが・・。
  3. 翼竜:4枚羽根のミクロラプトルが滑空します。木登りはあまり得意ではない感じですね。タイトルは原題が"Dino bird" ですから、"翼竜"ではなくて、"羽毛恐竜"がいいかな。
  4. サーベルタイガーを救え:3メートルを超える恐鳥(フォーラスラーキッド)や、ダーウィンが化石を発見したトクソドンが登場します。サーベルタイガーが滅んだ理由は自身の牙が理由だった!
  5. 昆虫の家:舞台は当時赤道直下にあった石炭紀(3億年前)のスコットランドで、巨大な昆虫採集です。酸素濃度が35%もあったので、いったん火事が起きると大変です。クラッシギリヌスが、かわいい動き。
  6. 巨大ワニ:白亜紀後期のテキサス。バスほどもあるデイノスクスが、ニクトサウルスやパラサウロロフスを襲います。
  7. メイキング話:30分ほど。使ったアニマトロニクスは13体。ゾウが、マンモスを本物と間違えたほどの精巧さ。一番苦労したCGは、デイノスクスの水中での回転シーンとか。水しぶきが微妙に絡むからのようです。CGだけでなく、それで動くであろう背景などの撮影がも難しそうです。


 全部で6つの時代からなっているのですが、面白いのは、同時進行でパークに既につれてこられた恐竜たちの様子が常に半分ほどあること。ですから、 T.rex などはどの時代でもよく出てきます。

 最初に捕獲したオルニトミムスが、次に湖を求めたり、産卵したりとか、ティタノサウルスが暴れていたのは胃石をほしがっていたのだとか、連続した物語性のあるストーリーになっています。

 また、オルニトミムスの産卵の超音波検査で卵管が2つあることがわかったり、T.rex のケガの治療に抗生物質が効くのかなど、驚きと苦労の連続で、恐竜を飼うなんて、ちょっと難しそう・・なんてこともわかります。まあ、大型動物の飼育自体、難しいのですが。
 
 恐竜の生態や当時の地球環境の再現にCGが多用されていると思っていたら、アニマトロニクス(ロボ)の実写も使われ、現実感が増しています。

 過去に行くというハイテクマシンを使いながら、恐竜たちの捕獲シーンは、なんとも原始的。パークの施設も、丸太の檻など、手作りでローテクです。そのぶん、親しみがわいて、恐竜に翻弄されるあたりは滑稽ですね。

 なお、現在のところ、パークは施設の都合からか陸上動物が基本で、翼竜や海の生物はいません。続編が作られるとしたら、このあたりでしょう。
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2007年06月27日

始祖鳥は、進化のイコンか

 ミラー・ユーリーの実験に系統樹、脊椎動物の前肢の相同やヘッケルの胚の絵、そして始祖鳥・・こいつらはみんなニセモノだ! なぜ教科書に掲載され続けるのか? 

 ダーウィンの進化論を否定するインテリジェント・デザイン(ID)構築者の一人、のジョナサン・ウエルズ(Jonathan Wells)が著して話題になったIcons of Evolutionの訳本、進化のイコン(コスモトゥーワン)が出版されています。

 前に本屋で立ち読み、いや、座って読みました(^^)。宗教感が違うのでしょう、日本ではあまり話題になりませんね。

icon_of_Evolution.jpg

 副題は、原著が"Science or Myth (科学か神話か)"で、日本語版は、"破綻する進化論教育 生物教科書の絵は本物か? " 日本語訳では、文献リストが略され(ウェブで紹介とか)、附記(日本における生物教科書事情)が追加されています。

 原著の発売が2000年ですから、7年遅れですね。出版社がびびったのでしょうか。翻訳は、創造デザイン学会。監訳は渡辺久義さんで、他の人は、経歴に危険が及ぶかもしれないということで、名前を伏せているそうで(^^;;。


意外と科学的

 前宣伝から、宗教がらみのトンデモ本かと思ったら、分岐学的系統関係も紹介されており、意外と科学的な話が展開されています。ただ、話は断片的で、代替となる理論があるわけではありませんけど。

 目次は、以下のとおり。いずれも教科書に出てくる有名な図(話)です。ちなみに最初のミラー・ユーリーの実験とは、原始大気を想定した混合ガスに放電し、アミノ酸を合成したというもの。




  1. 日本語版への序――ジョナサン・ウエルズ
  2. 監訳者解説
  3. 1章 ダーウィン理論は科学か神話か?
  4. 2章 ミラー‐ユーリーの実験34
  5. 3章 ダーウィンの生命の樹(系統樹)
  6. 4章 脊椎動物の前肢の「相同」
  7. 5章 ヘッケルの胚
  8. 6章 始祖鳥――失われた環
  9. 7章 オオシモフリエダシャク
  10. 8章 ダーウィン・フィンチ
  11. 9章 四枚羽のショウジョウバエ
  12. 10章 ウマの化石と導かれた進化
  13. 11章 類人猿から人間へ――究極のイコン
  14. 12章 進化論の障碍
  15. 附記 日本における生物教科書事情
  16. 索引


 「イコン(聖像)」とは、進化論を刷り込むための聖なる画像という意味とか。進化論を説明するために教科書に載っている始祖鳥などの画像のことです。"遺恨"ではないようで。


■始祖鳥、始祖鳥と騒ぎすぎ。始祖鳥は単なる通過点

 もちろん興味は、6章の始祖鳥。分岐論の説明や、飛行の起源、恐竜から鳥が進化したとする説の論争、合成化石のアルケオラプトルにまつわる学者の論争などのエピソードについて書かれています。

 本の初めのほうで書かれているのは、始祖鳥化石が見つかった時代が恐竜よりずっと前なのに、いまだに爬虫類と鳥類を結ぶミッシングリンク(失われた環)というのはおかしい、というよくある理屈です。飛行の起源についての議論もあります。木から飛び降りたとか、地上を走って飛び立ったとか・・というよくある話です。

 もちろん、著者は分岐論を支持しているわけではなく、全体として、一部の鳥類学者の主張に似ています。

 
 始祖鳥はその発見された時代や標本の美しさからよく取り上げられるのですが、羽根の生えた恐竜の一種に過ぎず、進化の途中の単なる通過点です。
 その意味で、ミッシングリンクとして、過大評価するのはおかしいでしょうね。


 最近の系統研究で用いられる分岐学では、時間の概念がありません。というのは、分析に使うパラメーターに年代は含まれていないため、分岐した年代については何も言えないのであります。
 しかし、生物はいつも最短の道(最節約的系統)をとって進化したとは限らない。つまり、分岐学的手法には大きな誤りがある可能性があるのも、面白いところ。

始祖鳥は王座追放、新たなイコン探し

 じつは、このあたりもわきまえていて、「分岐論者にっとって飛行の起源なんて二次的なもの」とあります。

 始祖鳥は単なる通過点というのも織り込み済で、で、分岐論者たちは、始祖鳥は王座を追放され、次なるイコンを探していると、話は進みます。

 代替として取り上げられているのが、バンビラプトル。原始的な羽毛を値鳥類の羽毛のように仕立て上げたというのです。学会でのエピソードもありますが、2000年の時点でまだ遼寧省の羽毛恐竜がそれほど見つかっていなかったのですから、バンビラプトルどまりです。
 

なぜニセモノか、説得力はない

 この著では、"10種類の「進化のイコン」について検証し、それらは捏造を含む事実の歪曲、うそ、ミスリード、やらせなどに特徴付けられることを明快に示している"というのです。

 しかし、始祖鳥の話をメインに読んだのですが、なぜこれがニセモノなのか、進化論を否定する根拠や主張が伝わってきませんね。

 そもそも、鳥類とは何なのか、「鳥類の定義」が不明瞭です。アラン・フェドゥーシアの鳥の起源と進化(平凡社)もそうですが、鳥の定義があやふやだから、それに続く系統の話が全てあいまいになってしまうのです。
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2007年06月05日

でか足国、パタゴニア

 前に買ったでか足国探検記(新潮文庫)は、椎名誠らが、南米の先端、パタゴニアをうろうろする話。

 パタゴニアは、スペイン語でパタゴン(でっかい足の人々)が住むところいう意味らしい。

 でっかい足とは、実はヒトの足ではなくて、かつてそこに棲んでいた竜脚類の脚ではないだろうか、と思ってしまうのであります。

dekaasi.jpg


 例によって、所々に、たわいもなくヘタなイラストがありまして、"でか足同盟"としてイグアノドンなども描かれています。後ろ足は5本指ですが(^^;;。

 コモドロリパダビアという地方には化石の森という場所があって、7000万年前ほどの大木の化石がごろごろしているそうです。
 むきだしになったナンヨウスギの化石の写真がありますが、かつての豊かな森を彷彿とさせますね。

 一年中吹いている強い風の話とか、タラバガニとかゾウアザラシとか、話は多岐にわたるのですが、恐竜化石の話はないですね。
 世界の辺境を旅する椎名さんが、恐竜に興味を持っていたら、新種の2つや3つ見つけていたことでしょう。


遊ばざるもの働くべからず

 パタゴニアといえば、いつも、アウトドアウエアなどのパタゴニアが思い浮かびます。パタロハ(アロハシャツ)もあります。さすがに、社員をサーフィンに行かせようの会社ですね。



 南の島のさわやかな風が似合いそうなクラシックパタロハ。
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2007年05月21日

恐竜が生き残った世界

 もし、鳥以外の恐竜が絶滅せずに生き残っていたら・・。そんな世界をフューチャー・イズ・ワイルドなどでおなじみのドゥーガル・ディクソンが著しています。


 If Dinosaurs Were Alive Today(ticktock Media Ltd)です。アマゾンのタイトル、"Dinosours"になってますね。
 タイトルを訳せば"もし今日恐竜が生きていたら"。発売予定は7月31日です。




If_dinosaurs.jpg



 発売元のticktock Media Ltd にページの一部があります。恐竜化石の発見場所や特徴も解説しています。

  1. ティラノサウルスはライオンを襲う
  2. 世界で最も早い恐竜として、ストルチオミムス(Struthiomimus)が競馬に。時速70Kmに。
  3. 平原のジャイアンツ、サウロポセイドンはゾウと水浴び
 
 CGと実写を組み合わせ、それぞれの恐竜の特徴をうまく生かしてます。96ページありますから、他にどんな恐竜が生き残ったんでしょうね。

 
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2007年05月14日

パタゴニアの中生代の爬虫類

 20年間のフィールドワークを元に、南米パタゴニアにおける中生代の多様な爬虫類について総括した初めての本が、6月に出版されます。

 Patagonian Mesozoic Reptiles(Indiana Univ Press)で、インディアナ大出版局で、目次などが紹介されています。

patagonia.jpg
 
 独自に進化したパタゴニアの恐竜についてはある程度知られていますが、その他の爬虫類についても解説があるのは興味深いですね。
 以下の14章について、それぞれの専門家が著しています。

 英語の本は本文がわかりにくいので、図やイラストが多いかどうかが気になるところ。392ページで、白黒写真が98枚、カラーが14枚です。
 

  1. Chapter 1. Patagonia and the study of its Mesozoic reptiles: a brief history
    Chapter 2. Mesozoic paleogeography and paleoenvironmental evolution of Patagonia (Southern South America)
    Chapter 3. Testudines:カメ類
    Chapter 4. Lepidosauromorpha:鱗竜形類
    Chapter 5. Crocodyliformes:ワニ類
    Chapter 6. Pterosauria:翼竜類
    Chapter 7. Ornithischia:鳥盤類
    Chapter 8. Sauropodomorpha:竜脚形類
    Chapter 9. Non-avian theropods:非鳥類型恐竜
    Chapter 10. Aves:鳥類
    Chapter 11. Ichthyosauria:魚竜
    Chapter 12. Plesiosauria:プレシオサウルス類
    Chapter 13. Ichnology:足跡などの生痕学
    Chapter 14. Reptilian Faunal Succession in the Mesozoic of Patagonia: an updated overview


 なお、インディアナ大出版局では、ちょっと古い恐竜本などを割引価格で販売しています。Paleontology をどうぞ。再販制度のない米国ならではですね。


 ところで、お尻を向けているカバーイラストは、どんな恐竜でしょうか。パタゴニアの竜脚類とくれば、テイタノサウルス類としておけば無難でしょう。
 最近の発見例でいけば、およそ7000万年前の巨大なティタノサウルス類、Puertasaurus reuili (プエルタサウルス・レウイリ)あたりかも。



 巨大竜脚類については次回にでも・・。昔は、白亜紀も終わりに近づくと、大型竜脚類はいなくなったなんて言われてたんですが・・。
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2007年05月08日

恐竜橋:ヒントは恐竜の脊椎から

 今日は、恐竜からヒントを得て考え出されたという「恐竜橋(dinosaur-bridge)」の話。

恐竜橋(ダイナソーブリッジ)
 恐竜橋は、1988年に米国で開催された「未来の橋コンテスト」で、優勝した設計案です。ヤモリの指(早川書房)の「圧縮力と張力の建築システム」のなかで紹介されています。

 実際の橋として完全に実現可能だけど、まだ実際に施行されていないのです。

 本に図がありますが、その構造は、恐竜の脊椎骨をまねたもの。圧縮力に強い脊椎に相当する部分がいくつもつながって、上下は、引っ張る力に強い腱をまねたケーブルで連結されています。

 ただ、"dinosaur-bridge"で検索しても、そのデザインはネットには見当たりませんでした。かわりにどこかの恐竜のような橋のイメージがヒットしました(^^;;。

 たしかに実現可能に見えるのですが、恐竜の場合、関節部分で動くことが想定されているので、この橋も強風が吹いたりするとゆれそうな橋ですね。

 他には、大たい骨の構造がクレーンの設計に役立った話などがあります。

Gekko's_foot.jpg 

バイオインスピレーション
 どんな名工でも、細工が出来るのはせいぜいミリ単位。しかし、生物はその100万分の1、ナノレベルでの名細工を難なくやっているのです。分子からなる生物ですから、当たり前といえば当たり前の話。

 しかし、もっとすごいのは人類の技術力。解明した謎を、酒場のうんちくに終わらせず、生活に生かすべく再現するのです。

 ヤモリの指(早川書房)は、バイオ・インスピレーションを紹介するポピュラーサイエンス書。
 原著は、The Gecko's Foot  副題は、Bio-inspiration:Engineering New Materials from Nature  

 バイオ・インスピレーションとは、生物が持つ形やシステムなどの不思議な力を最新の科学で解明し、さらに社会に役立つ応用例として巧みに再現するテクノロジーだそうで。

スーパーマンも可能に
 たとえば、ヤモリが、天井にはりつくとか、つるつるのガラス面でさえ滑らずに昇れるのはなぜか?

 もちろん吸盤ではありません。知っているようで詳しくは説明できなかったヤモリの不思議。いやはや、10億本ものものすごく細い毛で、ファンデルワールス力という、ごくごくわずかな分子間力を使っていたとは・・。

 この技術を「ヤモリテープ」として粘着テープに生かせば、今話題のスーパーマンのように、壁を登ることが出来るのです。

 ただ、ミクロの挑戦に比べて、マクロな建築関係ではバイオ・インスピレーションの例は明らかに見劣りします。

 恐竜を生かすなら、空洞が多い骨とか下から支える頚肋骨もあるのですが、恐竜という生物で20メートル程度が珍しくても、鉄骨を使う現代建築ではたいしたサイズではないのでしょう。
 リン酸カルシウム(骨)を鉄に変えたとすれば、はるかに巨大なサイズの構造物でこそ生かされるのかもしれませんね。


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2007年05月06日

日本の恐竜足跡にも続々と学名が

 日本で発見された恐竜の足跡化石にも、続々と学名がつけられているようです。ニュースや論文ではなくて、「足跡からわかる恐竜の生活(松川 正樹著、誠文堂新光社)」で知りました(^^;;。

 大判で子供向けの本ですが、それだけ、写真やイラストが多くて、かえってわかりやすいですね。K/T境界のわずか2メートル下にある角竜の角化石などは見ものです。

 骨化石と違って、足跡からは恐竜の生態がよくわかるのですが、意外な足跡化石も紹介されています。翼竜の、特に前足は不思議な形。路頭で見つけても見逃していたかもしれません。
 一番面白いのは、ずいぶん若いときの写真も混じっていることかも(^^;;。

おもしろい足跡

 足の不自由なイグアノドン類の足跡化石(カリニクニウム・レオナルドアイ)もあります。ニューメキシコ州にあり、歩幅と手のつき方が違います。ケガをしたきの足跡は獣脚類がほとんどで、植物食では初めてなんだそうです。ケガをしていると、すぐ襲われてしまうからでしょう。


 クラウチングスタートのように、獣脚類が獲物を待ち伏せしたときの足跡もあります。猫やライオンなどを思い出します。
 ジュラ紀のもので、かかとだけでなく、長い尾を引きずった跡も残っています。中国の四川省にあって、毎日ほうきで掃くため、だんだん平らになっているそうです。


 こういう跡としては、ディロフォサウルスが有名ですが、これもそうでしょうか。
 左は、ディロフォサウルス(フェバリット)。獲物を狙うポーズではなくて休んでいるポーズを再現しています。





日本の恐竜の足跡化石

 日本で見つかった足跡化石には、続々と学名がつけられています。

 石川県白山市の目附谷で見つかった新種の獣脚類(Asianopodus pulvinicalx 、アジアノドポダス・パルビニカルクス)は、真ん中の指の根元の丸いコブが特徴です(2000年の読売ニュース)。
 同じく目附谷で見つかった細身の小型獣脚類には、アジアノドポダス・パルキオイデスという名前がつけられています。学名は不明です。

 長野の小谷村で見つかった獣脚類には、シャイゾグッラッター・オタリエンシス(Schizograllator otariensis)の名がつけられています。舌をかみそうな名前ですね。

 以下の論文に記載されています。Asianopodus pulvinicalxは、新属新種ですが、Schizograllator の属名は、1986年に記載されています。

  1. Review of Japanese Dinosaur Track Localities: Implications for Ichnotaxonomy, Paleogeography and Stratigraphic Correlation
    Masaki Matsukawa, Kenichiro Shibata, Reiji Kukihara, Kazuto Koarai, Martin G. Lockley
  2. Ichnos, 12(3), p.201 - 222, 2005




 表紙は見慣れた写真ですが、裏表紙は、最近話題のウロコがリアルな皮膚痕です。
 1802年にマサチューセッツで見つかり、ヒッチコックが鳥の足跡と思っていた獣脚類の足跡化石(アノマエプス)です。

 
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2007年04月30日

恐竜もヒトも道具箱は同じ

 天才画家も我々も、使う絵筆や絵の具は同じなのに、できあがりの絵はまるで違う・・。生物の多様性もこんな感じなのでしょうか(^^)。
 
 連休に読んだというか、ぱらぱらと目を通した本の1つが、シマウマの縞 蝶の模様。光文社の新刊です。

 たとえば、恐竜とヒトの姿はずいぶん違うのですが、それらを決めている遺伝子は同じだという最近の理論から始まります。これで驚いてはいけません、このあたりはすでに知られていること。

 この本ではさらに進み、では、なぜ同じ道具箱(遺伝子)から、多様な姿かたちになるのか、ということを解説しています。


シマウマの縞 蝶の模様



 原著は、2005年に発売されたEndless Forms Most Beautiful(W W Norton & Co Inc)。

 タイトルの由来は、ダーウィンの「種の起源」の一節、「きわめて美しくきわめてすばらしい生物種が際限なく」から。




 最近の研究は進んでいるのですね。昔習った知識が次々と古くなります(^^;;。
 話は続く ・・・
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2007年04月28日

発売が楽しみ、"Dinosaurs"

 分岐学に詳しいトーマス・ホルツと、カラフルな恐竜イラストで有名なルイス・レイのコラボ。Dinosaurs(Random House Childrens Books)は、最新の恐竜を網羅した恐竜百科事典で、8月末発売予定です。
 副題には、"・・ For Dinosaur Lovers of All Ages "とあります。

 せっかくですから、大きい画像で(^^)。

Dinosaurs-book.jpg 

 出版社から子供向けと思っていたら大間違い。400ページあまりもあって、内容は濃いのです。

 その一部は、記事を書いているDarren Naish: Tetrapod Zoologyで、"壮観で、最も魅力的な恐竜本のひとつ"と、紹介されています。
 LurdusaurusDilongGuanlongScutellosaurus などの初めての正確な復元が見られるとか。オヴィラプトロサウルス類についての新しいクレードの話などもあるようです。

 ルイス・レイのサイトで、イラストが紹介されています。シマウマのような模様の巨大なハドロサウルスのトサカが派手ですね。


 日本語の翻訳準備、できれば発売前から進めてほしいですね。


posted by 楽園のマスター at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 恐竜本やDVD(新刊)