■恐竜橋(ダイナソーブリッジ)
恐竜橋は、1988年に米国で開催された「未来の橋コンテスト」で、優勝した設計案です。ヤモリの指(早川書房)の「圧縮力と張力の建築システム」のなかで紹介されています。
実際の橋として完全に実現可能だけど、まだ実際に施行されていないのです。
本に図がありますが、その構造は、恐竜の脊椎骨をまねたもの。圧縮力に強い脊椎に相当する部分がいくつもつながって、上下は、引っ張る力に強い腱をまねたケーブルで連結されています。
ただ、"dinosaur-bridge"で検索しても、そのデザインはネットには見当たりませんでした。かわりにどこかの恐竜のような橋のイメージがヒットしました(^^;;。
たしかに実現可能に見えるのですが、恐竜の場合、関節部分で動くことが想定されているので、この橋も強風が吹いたりするとゆれそうな橋ですね。
他には、大たい骨の構造がクレーンの設計に役立った話などがあります。
■バイオインスピレーション
どんな名工でも、細工が出来るのはせいぜいミリ単位。しかし、生物はその100万分の1、ナノレベルでの名細工を難なくやっているのです。分子からなる生物ですから、当たり前といえば当たり前の話。
しかし、もっとすごいのは人類の技術力。解明した謎を、酒場のうんちくに終わらせず、生活に生かすべく再現するのです。
ヤモリの指(早川書房)は、バイオ・インスピレーションを紹介するポピュラーサイエンス書。
原著は、The Gecko's Foot 副題は、Bio-inspiration:Engineering New Materials from Nature
バイオ・インスピレーションとは、生物が持つ形やシステムなどの不思議な力を最新の科学で解明し、さらに社会に役立つ応用例として巧みに再現するテクノロジーだそうで。
■スーパーマンも可能に
たとえば、ヤモリが、天井にはりつくとか、つるつるのガラス面でさえ滑らずに昇れるのはなぜか?
もちろん吸盤ではありません。知っているようで詳しくは説明できなかったヤモリの不思議。いやはや、10億本ものものすごく細い毛で、ファンデルワールス力という、ごくごくわずかな分子間力を使っていたとは・・。
この技術を「ヤモリテープ」として粘着テープに生かせば、今話題のスーパーマンのように、壁を登ることが出来るのです。
ただ、ミクロの挑戦に比べて、マクロな建築関係ではバイオ・インスピレーションの例は明らかに見劣りします。
恐竜を生かすなら、空洞が多い骨とか下から支える頚肋骨もあるのですが、恐竜という生物で20メートル程度が珍しくても、鉄骨を使う現代建築ではたいしたサイズではないのでしょう。
リン酸カルシウム(骨)を鉄に変えたとすれば、はるかに巨大なサイズの構造物でこそ生かされるのかもしれませんね。

