2007年04月30日

恐竜もヒトも道具箱は同じ

 天才画家も我々も、使う絵筆や絵の具は同じなのに、できあがりの絵はまるで違う・・。生物の多様性もこんな感じなのでしょうか(^^)。
 
 連休に読んだというか、ぱらぱらと目を通した本の1つが、シマウマの縞 蝶の模様。光文社の新刊です。

 たとえば、恐竜とヒトの姿はずいぶん違うのですが、それらを決めている遺伝子は同じだという最近の理論から始まります。これで驚いてはいけません、このあたりはすでに知られていること。

 この本ではさらに進み、では、なぜ同じ道具箱(遺伝子)から、多様な姿かたちになるのか、ということを解説しています。


シマウマの縞 蝶の模様



 原著は、2005年に発売されたEndless Forms Most Beautiful(W W Norton & Co Inc)。

 タイトルの由来は、ダーウィンの「種の起源」の一節、「きわめて美しくきわめてすばらしい生物種が際限なく」から。




 最近の研究は進んでいるのですね。昔習った知識が次々と古くなります(^^;;。
 一般的な解説は、エボデボから生物多様性のメカニズムやその起源などについて解説した本ということになります。光文社のサイトに目次などがあります。


 エボデボ(Evoe Devo、Evolutionary Developmental Biology)とは、進化学と発生学が融合した新しい分野、進化発生生物学のこと。

 エボデボが明らかにした成果の一つは、ハエも恐竜もヒトもその姿かたちはいろいろですが、全てマスター遺伝子という共通の道具箱(ツールキット)を持っているということ。
 体の器官やパターン形成を支配する遺伝子群は同じなのです。しかも、その起源はかなり古いらしい。たとえば、眼。貝の眼や昆虫の複眼、ヒトの眼は、決してそれぞれ独立して進化してきたのではないのです。
 

 では、なぜ同じ遺伝子から、かくも多様な形態が生じるのか。

 それは、環境や状況に応じて既存の遺伝子を間に合わせ的に使うというのです。昆虫の足が6本なのも、ヘビに足がないのも、道具箱(遺伝子)の中身が特殊なのではなくて、その使い方にあるのです。
 著者のキャロルは、その鍵をにぎるのが遺伝子スィッチとしています。それが、臨機応変に反応し、蛋白質合成から機能発現となるのです。


 動物進化のビックバン(第6章)や小革命-翼などの革命的発明(7章)で、化石や恐竜などの、古生物学的な話があります。
 しかし、このあたりは事実が述べられているだけで、どのように、ウロコが羽毛になったのかなどは書かれていません。これからのお楽しみ・・ということでしょう。
posted by 楽園のマスター at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 恐竜本やDVD(新刊) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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