最近、脳が質感をとらえる仕組みが解明されたそうで、Nature (下記)に報告されています。質感の知覚(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)に解説があります。
毎日では"画像の中で明るい部分と暗い部分がどう分布しているかによって、表面の光沢や明るさ、透明感といった質感を感じている"と紹介していますが、今ひとつわかりにくいですね。
ともかく、簡単な画像処理で、質感をリアルに表現できるようになるそうで、CG のリアル感が向上しそうです。
視覚科学に、視覚のいろいろと面白い例がありますが、ヒトは光信号をそのままではなくて、何らかの処理をして理解しているのです。
そのひとつの例を紹介しましょう。
■輪郭を強調する仕組み
小学校の時のお絵かきで、輪郭を黒く描いていて、"そんな黒い線はないでしょ?"と注意されたことはありませんか。
たとえば、下のりんごの絵です。実際、赤いりんごの周囲に輪郭の黒い線があるわけではありません。
実は、ヒトの眼には、実際にはない輪郭が見えるのです。脳が、物の境界の光の強弱を二次微分してその輪郭を強調しているからです。
りんごの図では、A-B の光の強弱が二回微分されると、光の強弱の"変化の変化"としてより強い信号となり、境界が輪郭として強調されて見えるわけです。
ですから、"ふちどりが見える"のは間違いではないのです。
ずいぶん前からわかっていることですが、ヒトの眼が、物体の大きさをすばやく捕らえようと進化した結果なのでしょう。
参考
- Image statistics and the perception of surface qualities
Isamu Motoyoshi
- Nature advance online publication 18 April 2007

