最近、熱河生物群 化石図譜 -羽毛恐竜の時代-(朝倉書店)が発売されています。訳本で、熱河生物群化石(約250点)や地層、発掘の様子などをカラーで紹介した著です。朝倉書店で目次などが紹介されています。
英文や中国語だと、化石の映像をぱらぱらと見るだけで、意味不明な箇所は飛ばしてしまうのですが、そのあたり日本語で書いてあると理解できます。

カバーは、ミクロラプトル・グイのホロタイプ(完模式標本)。後ろ足の羽根が少し見えるだけで、頭部あたりは裏です。
原著は、2001年に発売された熱河生物群(上海科学技術)・・・と思っていたのですが、2003年12月に発売されたTHE JIHOL BIOTA(英文版)のほうです。
これは、中国版に大幅に加筆されたもの。The Jehol Fossils(Academic Press)として、昨年12月に発売されています。
前のほうで、熱河群層の歴史的背景や時代、古環境などについて書かれています。
後はそれぞれの化石の紹介です。あまり紹介されない微化石や昆虫、サンショウウオなどの化石が目新しいですね。最大の歯を持つという翼竜、liaoningopterus gui の長い歯もみものです。
ただ、ゾルンホーフェン化石図譜(朝倉書店)に比べて全体的に写真の鮮明さが劣ります。ライティングなどの工夫が望まれるところです。
時代的に、ジュラ紀後期("前期"を訂正)とする説もあったようですが、現在では白亜紀前期("後期"を訂正)とされています。
陸成層だと時代決定が難しいのですが、全層にある凝灰岩に含まれるアルゴンなどの放射性元素の分析によって時代測定がなされています。
地質柱状図があります。一番下層の義県層最下部の陸家屯層で、1億2840年前。一番上は九仏堂層の波羅赤層で、1億1000万年前とあります。つまり、およそ1840万年間に堆積された地層となります。
その時代、このあたりは火山活動が盛んで、3回の大規模な噴火があったそうです。湖沼堆積と火山活動というサイクルが4回続いたとあります。
火山性のガスが生物の大量死を引き起こし、池や沼の底に埋まり、大量の火山灰が積もったことで、化石がきれいに保存されたようです。ですから、関節した状態で、羽毛などが残っているのです。
最近見つかっている化石からすると、恐竜だけでこの本程度の化石集ができそうです。続編にも期待したいところですね。

